債務整理には4つの種類があり、どの方法で借金を整理すべきなのか迷うところです。
弁護士に相談すれば最適な方法を提示してくれますが、手続を開始してから「それは困る!」といったことが出てくる場合もあります。

弁護士さん、全部教えてくれないの?

手続のことはOKなんだけどね。
細かいところは伝え忘れすることもあるのよ。
聞けば教えてくれるから聞くべきことが分かる程度の知識はあった方が良いと思うよ。
借金の返済ができなくなった事情は人それぞれなので、債務整理をするにあたって対策が必要なことも様々です。
こちらが詳しく伝えないと、法の専門家である弁護士も全てに答えることなんてできないですよね。
実際に、私が自己破産したときもそうでした。質問して初めて分かったこともいくつかあったんです。
今回は、そんなことを踏まえて、債務整理の種類によって、事前に知っておいた方が良いことを分かりやすくお伝えします。
債務整理の種類と違い
債務整理には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類の方法があります。
債務整理の種類によって、できることできないこと、リスクなどを簡易的なものですが比較表にしてみました。
債務整理種類 | 任意整理 | 特定調停 | 個人再生 | 自己破産 |
---|---|---|---|---|
整理する借金 | 選べる | 選べる | 住宅ローン残せる | 選べない |
借金の減額 | 元金だけになる | あまりできない | 大幅に減額 | 帳消しになる |
裁判所へ申立 | 不要 | 必要 | 必要 | 必要 |
財産 | 失わない | 失わない | 一部失う | 全て失う |
持ち家 | 失わない | 失わない | 失わない | 失う |
車 | 失わない | 失わない | 失うこともある | 失う |
ブラックリスト | 載る | 載る | 載る | 載る |
官報 | 載らない | 載らない | 載る | 載る |
職業制限 | 無 | 無 | 無 | 有 |
借金の使い道 | 制限なし | 制限なし | 制限なし | 制限あり |
債権者の同意 | 必要 | 不要にもできる | 必要な場合もある | 不要 |
家族 | バレにくい | バレにくい | バレる | バレる |
保証人に迷惑 | かからない | かからない | かかる | かかる |
弁護士依頼 | 要 | 不要 | 要 | 要 |
↑全面表示されないときは、表を横スクロールしてください。

任意整理が一番よさそう!

そうね。
借金の減額が大きいほどリスクも大きいの。
弁護士さんに相談すると、まず任意整理できないかを考えるわね。
任意整理、特定調停、個人再生は、借金がなくなるわけではないので、整理した後の借金残額を、3~5年で完済できる安定収入が必要です。
債務整理をしても、家を守りたい、車を残したい、保証人に迷惑をかけたくない、家族に内緒にしたい、などが叶ううちに早めに債務整理を検討した方が良いですね。
特定調停は、自分で簡易裁判所に申立てするので弁護士や司法書士は不要ですが、手間がかかるし、任意整理ほどの減額は期待できないです。
特定調停以外の債務整理も自分でできないことはないけど、専門知識がないと難しいので依頼した方が無難ということで、「要」にしてます。
実際には、色々な事情が重なってくるので、弁護士や司法書士に相談して決めた方が良いんだけど、相談する前にだいたいの特徴ぐらいは知っておいた方が良いです。
債務整理をする際に確認しておきたいこと
リスクが少ない任意整理で借金を整理したいと思っても、借金額や月々の返済可能な金額によってはできない場合もあります。
ですので、最低以下のことくらいは調べて把握しておいた方が良いですね。
- どこから借りているか
- 利率は何%か
- それぞれの借金額はいくらか
- 担保や保証人の設定があるか
- 返済方法や月付きの返済額はいくらか
- 保有している資産はあるか
- 毎月返済できる金額はいくらか
和解に同意しない金融業者もいるので、どこから借りているかというのもけっこう重要です。
債務整理に強い弁護士や司法書士は、和解に応じない金融業者の情報も知っているので、整理する借金を選択できる任意整理だと、外すことができるからです。
また、保証人に迷惑をかけたくないなら、保証人が設定されている借金を外して債務整理をすることもできます。
債務整理をすれば自分は楽になるんだけど、かといって大切な家族や知人に迷惑をかけたくないですよね。
個人再生や自己破産となると迷惑をかけてしまうことになるのですが、債務整理することを躊躇って先送りするほど迷惑が増幅してしまいます。
打ち明けにくいとは思うのですが、迷惑をかけることが確実ならちゃんと話しておくべきなんです。
まとめ
債務整理には4つの種類があって、それぞれに一長一短があります。
借金総額や返済能力によってどの方法で借金を整理するか選ぶことになるのですが、場合によっては大きなリスクを背負うことになります。
最近では、弁護士による無料相談や、自治体の相談窓口を利用することもできるので、相談前にある程度の知識と自分の状態の把握をしておいた方が良いです。
できることできないこと、受け入れられること受け入れられないこと、人それぞれに事情がありますものね。
債務整理後の生活が、もっとも良くなる方法で借金が整理できると良いですね。
▼関連記事▼
借金の債務整理はどんな場合にどの方法を選ぶべきか