任意整理を行うと、信用情報はどこにどのように記載されるのかをご存知でしょうか?

ブラックリストに記載されるんだよね!?

一般的にはそう言われているわね。
実際には、金融取引を記録する信用情報機関があって、そこに金融事故情報として記録されるのよ。
信用情報機関と気になる事故情報の関係に加えて、信用情報を回復させる手段について取り上げてみましょう。
任意整理の情報が記録される信用情報機関は?
債務整理を行うとブラックリスト入りするとよく表現されますが、実際にはありません。
ブラックリストに該当するのは、信用情報機関における登録情報になります。
信用情報機関とは
信用情報機関とはそもそも、信用情報の管理と提供を通して、消費者と加盟する会員会社の信用取引を支える役割を果たしている機関のことになります。
消費者がクレジットカードや住宅ローンなどを活用する場合に、会員会社は消費者の返済能力を知らなければ、適切な信用供与ができません。
そこで消費者の信用情報を事前に確かめる必要があり、会員会社は信用情報機関に登録された個人の信用情報を判断に役立てます。
対して、消費者も信用情報機関に自らの信用情報が登録されることで、自分の信用に応じた信用供与を受けられるようになるメリットがあります。
信用情報機関は3つある
まず、指定信用情報機関としてあげられるのは、JICCと記載される株式会社日本信用情報機構です。
信用情報機関としては日本最大級、消費者金融会社のおよそ80パーセントがJICCに加盟していると言われています。
もうひとつは、CICとされる指定信用情報機関の株式会社シー・アイ・シーです。
CICはクレジットカード会社によって設立された機関、入会するためには厳格な審査の合格を要します。
更にKSCと呼ばれる全国銀行個人信用情報センターも、一般社団法人全国銀行協会が運営する個人信用情報機関です。
銀行と銀行が関連するクレジットカード会社が、KSCには加盟しています。
任意整理の情報が記録されない信用情報機関ではブラックにならない?
様々な個人の信用情報を登録している一方で、実は信用情報機関それぞれで登録される内容には違いが出ています。
債務整理に注目するなら、信用情報機関によって登録の有無と登録期間に差が見られます。
任意整理をしても登録されないのなら、ブラックリスト入りしないことに期待されますが、実際には注意が必要です。
任意整理を登録するのはJICCのみ
JICCにおいて、任意整理をした事実は5年間登録されます。
5年間経過すれば、たとえ分割返済が終わっていなくても、JICCから任意整理の登録情報は消えます。
JICCに限れば、任意整理を行った場合、ブラックリストに5年間載ることになります。
CICとKSCにおいて任意整理は登録されない
CICでは任意整理の情報こそ登録されないものの、延滞は異動情報として登録されます。
この異動情報は事故情報とも呼ばれ、借金を完済してから5年経過するまで消えません。
一方、KSCは任意整理の登録はありませんが、保証会社が代位弁済を行った場合にはそれを5年間登録されてしまいます。
任意整理をすると何らかの事故情報が記録される
任意整理は借金の問題を解決する手段のひとつですが、実行すれば自らの信用情報に傷をつけます。
信用情報についた傷は事故情報とされ、任意整理では信用情報機関によって違いこそありますが、このような事故情報はどうしても登録されてしまうのです。
登録される事故情報は信用情報機関によって任意整理そのものであったり、異動とされたり、代位弁済になったりします。
異動と代位弁済とは
任意整理がそのまま事故情報として登録されない場合には、異動情報や代位弁済が事故情報として信用情報機関に載ります。
異動情報は事故情報と同じ意味ですから、異動と表示されているときには、事故情報にあたるいずれかのケースが発生したことを示しています。
こうした異動において代表的なものは遅延や延滞と債務整理のほか、代位弁済と強制解約があげられます。
異動に含まれる代位弁済とは、債権者の支払いが遅延した場合に、保証会社や保証人が代わりに返済を行うことです。
遅延や延滞が発生した際には、代位弁済が行われるリスクも発生するといえるでしょう。
事故情報を確認するには
3つの信用情報機関全てに対して、事故情報における情報開示請求を誰でも行えます。
KSCは郵送でのみ情報開示を申請可能、JICCとCICなら窓口での申請と郵送にあわせて、パソコンなどを使ったインターネット開示も利用できます。
一部の手続きを除きますが、情報開示には本人確認書類の提出がほぼ必須になっています。
任意整理後の信用情報を早く回復させるには!
任意整理によってブラックリスト入りしてしまえば、様々なデメリットを受けなくてはいけません。
信用情報を早く回復させる方法について考えてみましょう。
任意整理の登録情報に消し方は無い
任意整理や事故情報が信用情報機関で登録された場合、何か手続きなどを使ってそれを消す方法は存在しません。
あくまでも時間経過だけが、登録情報の抹消につながります。
もちろん完済してから抹消まで5年間を要するケースであれば、延滞などを続ける限りいつまでも登録情報はそのまま載り続けます。
返済実績を作ることが信用回復への近道
任意整理の登録情報や事故情報が抹消された後でも、個人の信用は完全に回復しません。
クレジットカードやローン契約などを使って、返済実績を少しずつ作っていくことが重要です。
任意整理と信用情報についてまとめ
任意整理をするとどこにどのように登録されるのかは以下の通りです。
- JICCには任意整理として登録される
- CICでは延滞が発生すれば異動情報として登録される
- KSCでは代位弁済が行われた際に事故情報として登録される
信用情報機関によってこのように任意整理の登録では違いがあります。
任意整理を実行した人は、返済をしっかり行うようにしましょう。
無事にこうした信用情報機関の事故情報が時間経過で抹消されても、それだけでは完全に個人の信用が回復したとは言えません。
クレジットカードなどで返済実績を作り、自らの信用を高めていくことが大切です。
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