任意売却についての情報を集めると、なんだか良い事ばかり書かれている気がします。

良いことばかりじゃないよね!

そうね。後悔しないようにデメリットも知っておいた方がいいわね。
住宅ローンの支払いが難しくなったときに、任意売却をするかどうかを判断するには、任意売却についてのデメリットについて知っておくことも大切です。
任意売却をする時の失敗しないために覚えておきたい注意点も解説していきます。
任意売却のデメリット
任意売却は住宅ローンが支払えなくなったときの手段なので、普通に家を売るのとは事情が違ってきます。
任意売却のデメリットのうち、最低限知っておきたいことをピックアップします。
住宅ローンを滞納しなければならない
任意売却は住宅ローンの支払いをしているうちはできません。
滞納をしていなければいけないんです。

住宅ローンを滞納するってこと?

そうよ。
任意売却は住宅ローンが払えなくなった人のための制度だからね。
任意売却をするためには住宅ローンを数ヶ月滞納をして、債権者となる金融機関からの督促を待つ必要があります。
また、督促がきたらなるべく早く金融機関に出向いて相談しないと競売される可能性もあります。
金融機関が承諾しないとできない
自分が任意売却をしたいと思っても、相手の金融機関が納得してくれなければ話は進みません。
また、金融機関側が納得してくれても、売却価格を決めるためには、何度も金融機関と話し合う必要があります。
法律的なことが絡んでくるので、自分だけで交渉するのは無理があります。
債権者との交渉は自分では無く、専門家である不動産業者などが行なわないと任意売却は成立しません。
連帯保証人に迷惑がかかる
連帯保証人に迷惑がかかってしまうのも、デメリットとなりますね。
ですから、任意売却をするときには、債権者だけでは無く連帯保証人の了承を得ることも必要です。
住宅ローンを滞納すると連帯保証人に支払い請求がいきますから、もし連帯保証人がローンの残債を支払ってしまうなら、任意売却をする事は出来なくなります。
前もって連帯保証人と話し合っておいて、任意売却を希望していることに協力してもらえるようにしておかなくてはなりませんよ。
信用情報にキズがつく
任意売却をすると信用情報にその履歴が残ります。

ブラックリストになるってこと?

住宅ローンの滞納や任意売却は金融事故情報として記録に残るのよ。
信用情報に任意売却をした人として記録が残ると、ローンを組んだりキャッシングをしたりするときに、審査に通らなくなると考えておきましょう。
最低でも6年前後は履歴が残りますので、覚悟しておく必要があります。
家が売れない場合は競売される
家を売るために任意売却の手続きを進めても、家が売れないリスクもいくらか存在します。
もし家がいつまで経っても売れないと、金融機関がしびれを切らして、競売に掛けてしまうことも考えられます。
任意売却を確実に成立させるためにも、任意売却の経験豊富な不動産業者を選ぶことは重要なポイントです。
任意売却のメリット
住宅ローンが支払えなくなって家を手放すので、一般的な家の売買とは違うリスクがありますが、任意売却ならではメリットもあります。
デメリットを知った上で、任意売却のメリットを受け入れると良いでしょう。
任意売却は費用の負担がない
任意売却のメリットは、持ち出し金が何も無くて済むという点です。
一般的に不動産を売ろうとすると、登記料や測量費用、そして仲介手数料などがかかってきます。
任意売却にすると、これらの諸費用がすべて家の売却費用から支払われます。
家の売却が成立した後に、その売り上げ価格から諸費用が差し引かれるのです。
債権者に交渉すれば、売り上げ価格から引っ越し費用を出してもらうこともできるのです。
つまり、自分の持ち出し費用が一切かからないというメリットがあります。
残債務の支払いが楽になる
家を売った後の利益でローンの残債を払っても、大抵はいくらかのローンが残ります。
任意売却だと、市場に近い価格で売却できるので、競売されるよりも残債務が少なくなります。
また、任意売却にすると、金融機関と相談することで、残りのローンを分割して返済していくことが出来るのです。
任意売却をした後の収入や生活費用などを考えて、現実的な返済金額を設定してくれます。
売却した後も済み続けられる可能性がある
人によっては任意売却の制度を利用して、親戚に家を売り、同じ家に住み続けられるようにするケースもあります。
親戚や投資家に家を任意売却で買ってもらい、その後、家賃として相手にお金を払い続けていくのです。
家を売却した後に、子どもが住宅ローンを組み自宅を買い戻す事例もありますよ。
任意売却で失敗しないための注意点
任意売却で失敗しないために覚えておきたいのは、任意売却をするタイミングです。
タイミングを逃してしまうと競売の手続きが進み、任意売却が難しくなってしまいます。
一番良いのは、ローンの返済が厳しくなってきたときに、任意売却について考えることです。

滞納している間に準備が必要ってことかな?

任意売却するつもりなら、督促が来る前に任意売却を依頼する業者の下調べしておく方がいいわね。
覚えておくべき注意点として、どの不動産業者に任意売却を依頼するかを挙げられます。
任意売却専門業者と呼ばれることもありますが、この業者になるには特に資格や許認可が必要ありません。
そのために色々な業者がありますが、一番失敗する確率が少ないのは、専門知識のある不動産業者です。
不動産業者は様々な家の販売力がありますし、任意売却を成立させるためのノウハウも持っています。
金融機関と交渉をして抵当権抹消させたり、引っ越しのサポートや次の家探しの手伝いなどをしてくれたりもします。
場合によっては任意売却と同時に、自己破産や個人再生をしたいときもあるでしょう。
そんな時は弁護士に依頼するのがベストです。
弁護士は法的な専門知識があり、債権者となる金融機関とのやりとりに慣れています。
先に任意売却を成立させた後に、自己破産をして、任意売却の売り上げ費用を自己破産のための手続き費用に充てたりする方法も熟知しています。
まとめ
任意売却のデメリットというのは、債権者や連帯保証人と事前に話し合ったり交渉したりする必要があるという点です。
売買が成立しないと競売にかかる危険性もあると覚えておきましょう。
任意売却をすると信用情報に履歴が載るために、数年間は大きなローンを組めなくなるデメリットもあります。
ぜひ任意売却をするタイミングを逸しないことや、任意売却を不動産業者か弁護士どちらに依頼するかなどの注意点も覚えておきましょう。
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