自己破産するときに一番に気がかりなのは家がどうなるか、ということではないでしょうか。

住み慣れた土地から離れたくないよ。

そうね。家族がいると子供の学校とかもあるものね。
一般的に自己破産をすると全ての財産を失うことになるので、持ち家の場合は家を処分され引っ越しをする必要があります。
しかし、住み慣れた土地を離れたくないということもあるでしょう。お年寄りと同居している場合は、特に引越しは避けたいかもしれませんね。
学齢期の子供がいると、学校の問題もありますよね。
今回は、自己破産すると住宅ローン支払い中の家がどうなってしまうのか、住み続ける方法はないのかなど について取り上げていきます。
自己破産すると住宅ローン支払中の家はどうなる?
住宅ローンは、数千万円もの大きな借金なので、家を担保に抵当権が設定されていますよね。
なので、自己破産をすると債権者は抵当権を執行し、家は競売にかけられ処分されることになります。

自己破産すると持ち家は手放すことは避けられないですね。
基本的に自己破産をすると住宅ローン支払い中の家は失うことになり、引っ越しをしなければならなくなります。
ただ、自己破産の申請をしてすぐに競売されるわけではなく、半年から1年くらいはかかるます。それまでは家は破産者本人の名義になっているので、住み続けられます。
競売が実行され売買契約が完了すると、立ち退かなければなりません。
自己破産をしてから競売が完了するまでには、ある程度の期間があるので、その間に引っ越し先を見つけておく必要があります。
自己破産すると支払中の住宅ローンはどうなる?
自己破産すると家は競売され住宅ローンの返済に充てられます。
たいていの場合は住宅ローンの残債務より競売価格の方が安く、家を処分したお金を返済に充てても、借金が残ってしまいます。

そうなると、残った借金の支払いはどうなるのか、気になりますよね。
住宅ローンには保証会社がついていることがほとんどですが、連帯保証人もついていますよね。
保証会社をつけていると、残債務は保証会社が代位弁済することになります。
保証会社も住宅に抵当権を設定していることが殆どで、 競売額の一部を配分されます。
この配分がどれくらいかというのは、銀行と保証会社の話し合いになるみたいです 。
いずれにせよ、家を売ったお金だけでは借金がゼロにならないので、残った借金は連帯保証人に請求が来ます。
自己破産すると本人は住宅ローンは一切払わなくてよくなりますが、最終的に、連帯保証人に迷惑がかかることになるのです。
自己破産したら住宅ローンの支払いがなくなるので、競売で安く売られても関係ないと思いがちですよね。
でも、少しでも高く売れた方が、連帯保証人にかかる迷惑が少なくて済むのです。
競売は破産管財人がすることが殆どですが、一般競売する前に任意売却することもあります。
競売するよりは少し高く売れるので、残債務が少なくなるという利点があります。
自己破産すると必ず家を手放すことになるの?
自己破産しても家に住み続けたいという気持ちはわかりますが、基本的に家を手放すことになります。
住宅ローンを支払い終えていたとしても、20万円以上の財産は処分して債権者に配分しないといけないので、どちらにしろ処分されるということです。
家土地合わせて20万円以下というような家はそうそうないでしょう。
自己破産しても住み続けることはできる?
自己破産をすれば家を手放すことになるので、住み続けることはできません。
どうしても引っ越しが嫌だ、住み続けたいと言うのであれば、自己破産する前に対策することですね。

もしかすると、自己破産せずに済むかもしれないですよ。
自己破産せずに、住み続ける方法を検討した方が良いかもしれませんよ。
条件さえ揃っていれば方法がないわけではないので、次にあげる方法が利用できそうか検討してみてくださいね。
自己破産以外の債務整理なら家を残すこともできる
自己破産以外の債務整理なら、家を手放さず住み続けることも可能です。

任意整理か個人再生で債務整理をするのです。
- 任意整理
- 個人再生
債務整理する借金を選べるので、住宅ローンを外すことができます。
住宅ローンを残したまま、他の無担保借金を大幅に減額できます。
ただ、自己破産するまでになっている状態だと、任意整理では借金の減額幅が少ないので、返済していくことは難しいかもしれません。
個人再生なら、住宅ローンを残して他の無担保借金を大幅に減額することができるので、月々の支払い額が楽になります。
ただし、住宅ローンはそのまま残るので、支払い続けることになります。
個人再生をしても月々の返済額が苦しいようであれば、住宅ローンのリスケジュールをしてもらうことも必要になってきます。
もし、借金が住宅ローンだけという場合は、個人再生する意味はありません。
住宅ローンの支払いが苦しいだけなら、金融機関にスケジュールの相談をするのが一番です。リスケしても支払えないようであれば、家を手放す決心も必要になってきます。
家を手放しても住み続けられる方法
住宅ローンが払えなくなったとき、家を手放しても住み続けられる方法もあります。

自分の家じゃなくなるのに、住み続けられるの?

売った家を賃貸で借りる方法があるのよ。
任意売却した家を買主から賃貸で借りる方法で、リースバックと言われています。
家を任意売却すると自分の家ではなくなりますが、賃貸契約をすれば住み続けることができるのです。
親族に買い取ってもらえれば一番良いですが、そんな都合のいい買主を見つけるのは、難しいと思うかもしれませんね。
親族に買い手がなければ、富裕層の中には投資として、リースバックをしてくれる人もいます。
任意売却の物件は、市場価格より7割程度安いので、投資として購入するのです。
任意売却は住宅ローンを支払い中の物件が対象の方法なので、住宅ローンを組んでいる銀行などの債権者の同意が必要になります。
銀行などの貸主は住宅を担保にとってローンを払い続けてもらう方が利益になるので、滞りなく支払っていいるうちは任意売却には応じません。
任意売却の相談にいくのは、住宅ローンを滞納するようになってからですね。
住宅ローンを連続して滞納すると、債権者の方から任意売却を持ちかけられることもありますから、その際に相談するのも良いでしょう。
無視していると、住宅は強制的に競売されることになるので、注意しましょう。
任意売却をして返済に充てたとしても、住宅ローンの方が多い場合にはオーバーローンとなって、借金が残ってしまいます。
残った借金は返済していかないといけないので、リースバックの賃貸家賃と残債務の支払いをすることになります。
結局、毎月の支払額は変わらなかった、という事態になるかもしれません。
月々の支払額によっては、住み続けることにこだわるよりも、自己破産して再スタートした方が得策かもしれませんよ。
住宅ローン以外の借金にも抵当権設定している場合はどうなる?
住宅に設定された抵当権が住宅ローンだけの場合は、個人再生や任意売却ができますが、他の借金の担保になっている場合は、個人再生をすることはできません。
任意売却の場合は債権者が複数になるので、これもまた難しいですね。

個人事業してたりすると、事業資金の担保に入れてるよね。

法人の場合でも代表者の住宅が担保になっていることが多いわね。
自己破産であれば、裁判所から選任された管財人が財産を処分して債権者に配分をしてくれるので、任せておけば良いです。
また、裁判所の決定なので債権者が応じないということもありません。
すっぱりと自己破産して、新地でやり直した方が良いのではないでしょうか。
まとめ
自己破産をすると20万円以上の財産は処分して債権者に配分することになります。
住宅ローンを支払い中の場合は、住宅がローンの担保に入っていますから、競売で処分され、売買したお金は住宅ローンの返済に充てられます。
つまり、自己破産をすると住宅ローン支払い中の家は失うことになります。
どうしても住み続けたいのであれば、自己破産する前に対応方法を検討することですね。
- リスケジュールで月々の支払額を減らす
- 個人再生で住宅ローンを残して債務整理する
- 任意売却で家を売り、リースバックで賃貸する
このような手段で、対応できないか検討してみると良いです。
毎月支払い可能な金額に、調整できないようであれば、住み続けることにこだわらず、自己破産して再スタートした方が良いのではないでしょうか。
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